構成の課題 太田ステージ StageⅢ-2その① 京都 ことば音楽療法 

StageⅢ-2 「概念形成の芽生えの段階」ごく基本的な比較の概念が出来始めた段階。物と物との関係づけは経験に左右され、大人の概念とは異なる。個々のイメージを中心とした表象であり、現実の生活と密着している。①
 LDT-R (Language Decoding Test-Revised、言語解読能力テスト改訂版)のLDT-R3:3つのまる比較の項目を通過した段階です(大小の概念がわかる段階)
 このステージの目標は、「表象空間を広げ、思考の柔軟性を促すこと。言葉の意味内容を膨らませ豊かにすること、物と物との関係の概念の理解を深め確実にすることである。この段階までに獲得した簡単な比較や数、量、色・形などの属性をいろいろに切り替えて頭の中で操作できるように促すことである。そして、言葉による行動の調整の発達を目指す。また人格構造の基礎が出来始めた時期に当たるので、自分の意志を言葉で表現したり、主張したりできるようにして、自我意識の発達を促す。同時に、相手に合わせて行動を調整することも目標である。」②
 このステージでは、「3語文以上の言葉を持つ子どもが7割近く占めている。会話を一方で、一面的なことが多いが具体的なことでの1,2往復程度の会話ができるようになる。しかし、言葉や状況の理解は経験に縛られていて、背後の状況まで含めて理解することが難しい。」③
 このステージの課題は、視覚ー運動協応や随意運動の発達を促す。言葉の意味内容をふくらます。物と物との関係の概念の理解を確実にする。数・量の概念の発達を促す。イメージの世界を豊かにする。コミュニケーションを活発にする。④

 

 このステージの課題では言葉のやりとりが多くなりますが、私は気分転換を兼ねて構成の課題を取り入れています。
 このステージの構成の課題は、カード見本による構成、言葉の指示による構成などがあります。カード見本による構成では、見本の図やカードを子供に示し、必要な分だけの材料を子ども自身に選ばせて、見本と同じように作らせようにします。⑤

 

①自閉症治療の到達点 p91
②自閉症治療の到達点 p181
③自閉症治療の到達点 p179
④認知発達治療の実践マニュアル p223
⑤認知発達治療の実践マニュアル p226

「家」の写真は、先日生徒さんが完成させた作品です。4回に分けて完成させました。この作品は子供一人で作るのではなく、コミュニケーションをとりながら完成させました。共同作業です。取り組んでいる間も楽しそうでしたが、完成した作品を見て大変喜んでいました。
 ちなみにこの教材はイタリアの玩具Quercetti Fantacolorケルチェッティです。知人からいただいたものです。完成した課題が「作品」になる教材を探していましたが、これは本当にいい教材です。